2006.1.20発行 | HIGH MIND FILE | 東京版

林明日香

「音楽に対する気持ちが深く、
強くなりました」

……わずか13歳でデビューされ3年が経ちましたが、歌手として何か変化はありましたか?

「大きく変化したんじゃないかな。中学生の頃は、もうとにかく歌が大好きで歌っていました。もちろんその気持ちは大事だし変わらないですよ。だけど高校生になって歌に対する意識が高く、深くなりました。林明日香というひとりのアーティストが今後向っていく方向というか、やっていきたい音楽というか、そういうことも考えるようになって。後は世界中のいろんなところへ行って歌いたい、いろんな人に届けたいと思います」

……明日香さんの中での変化は昨年12月にリリースされたニューアルバム『蝶』にも表れているのでしょうか?

「音楽に対する意識の高さという面からは、初めてセルフプロデュースという形にさせていただいたところにあると思います。伝えたいことは曲によって違いますが、全体的には自分の声を間近で聴いているように感じてもらえるような、そんな音にしたいな、と考えて作りました。そこにはもちろん言葉を通して伝えたいこともあるので、歌詞の部分にも最後までこだわりましたね。後はワンテイクで録ったものがすごく多いのですが、それにも理由があって…。これまで3年間歌ってきて、どこかで“きれいにまとめたい”“上手く歌えてる方がいい”っていう風になりがちだったんですよね。自分の意思も確かにあるんですけど、周りの人が言うことも気になって合わせてみたり。でも今回は、例えば声が少し枯れていたり、ほんの少し音程が外れた部分があったりしても、それがその時の感情なら、その瞬間をありのまま伝えたほうがいいんじゃないかなって思ったんです」

……『蝶』に収められている曲は、思わず照れてしまいそうな可愛らしいものから、平和への願いが痛いほどに伝わるものなど、音楽の本質に迫りながらも高校1年生の“林明日香らしさ”が健在している曲ばかりだと思います。「今の高校生は無責任で身勝手で…」と言う大人が多いですが、実際に接してみると予想より遥かにいろんなことを考えたり感じたりしているんですよね。

「高校生になって気付いたのは、今までで一番悩み事や考え事をすることが多くなったこと。でもたぶんまだ未熟なところも多いので余計なことまで考えすぎてしまったりもするんだけど、そうやっていい方向にいったり悪い方向にいってしまったりしながら、少しずつ進んでいくんだろうな、と思います」

……意志が強くとてもしっかりしている明日香さんですが、今後の活動や展望があれば聞かせてください。

「実は普段はすごく優柔不断なんですよ。例えば買い物だと、どれを買おうかずーっと迷ってます(笑)。ひとりのアーティストとして林明日香が今ここにしっかりといれるのは、いろんな人たちに支えてもらってきたからなんです。ひとりじゃここまで頑張れないですよ。特に母親はいつも一番の相談相手になってくれます。大好きなライヴも私の元気の源! たくさんの人たちに近くで聴いてもらえる瞬間が死ぬほど幸せだし、ライヴを通してみんなからエネルギーをもらえるので。これまでもいろんなことがありましたが、自分が歌い続けている理由を探すと、やっぱりそこに答えがあったりするんですよね。伝えたいことがあって、聴いてくれる人がいて。だからこれからもライヴはたくさんしたいし、世界のどこに行っても通用するアーティストになりたいです」

photograph by M.Goto


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